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2019/3/16

Column

仏事のススメ。Vol.2葬儀 【前編】

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大変な状況になっている「葬儀」(お葬式)について私なりに書いておきます。

最近、葬儀を行わないという方が増えてきました。儀礼儀式ですので、行わなくても問題ないと考えるのでしょうか。それでも正直、すごい時代になってきたんだなぁと思います。
縄文人も葬儀を行っていたのが、現代に至って、行わない選択がでてきたのはどういうことなのでしょうか。「行えない」ではなく「行わない」という心情に苦しむところです。これ以上は控えるとしても、古来より地域の方の葬義に携わってきたお寺の立場から申し上げますと、行わない選択を含め、どういう形であれ、後々、後悔されないようにしてほしいものです。

さて、行わない理由のひとつに、やはり費用のことがあるように思えます。それ以外では、無宗教だからと仰る方がおられますが、行わない選択に、宗教と葬儀を結びつけるのは全く別問題です。無宗教による儀礼儀式で行えばいいだけの話ですので、そこを行わない理由にしない方がよいでしょう。
ちなみに、精神的負担や体力的な問題など、様々な理由で行うことが難しいと考えてしまう方は、一人で悩まずに一度、お寺にご連絡くださればと思います。何か方法が見つかるはずです。一緒に考えて参りましょう。
 
では、先ほどの費用の問題についてですが、行わないといいましても火葬は必ず行わないといけませんので、そこの費用は必ず掛かってきます。ちなみに、それだけで済ませてしまうのを「直葬」というようです。私も関東に来てから知った言葉ですから、ここ近年の言葉かもしれません。

東京都小平市近郊においても増えてきた「直葬」。その「直葬」に、私も最近立ち会うようになりました。炉の前で5分程の読経と、短い時間のお別れで終えるのは何とも言えぬ寂しさを覚えます。皆様のご事情の中で行われていますから、私がそこでどうこう申し上げることはできません。
ですが、その前に一度お寺へ相談してくだされば、何か方法はないかと一緒に考える中で、他の選択も生まれていたかもしれません。今回、葬儀について書こうと思ったのも、行わない選択を避けるためです。現代における仏事のイロハとして、単に時代の変化に流されるだけでなく、お寺として最低限のことは申し上げておきたいと思います。
    
では、他の選択についてとなると、当然、費用が掛かってくる話となります。ですが、今は、皆様の事情に合わせた儀式の形態へと大きく変わりつつあるようです。一昔前では考えられなかったものばかりですが、例えば「一日葬」といわれる通夜を省略したものであったり、そこに家族のみでおこなわれる「家族葬」という形。また、お寺の本堂で荘厳壇(祭壇)を無くした形でおこなう「本堂葬」というものなどです。
後編では、それが具体的にどういったものかを、まとめていきたいと思います。

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