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照恩寺住職によるブログてらすブログ

2018/8/8

Column

行ってきましたシリーズ/vol.⑥

Photo

先日、森美術館の「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」へ行ってきました。この時期、どこのお寺でもお盆参りが本格的に始まりますが、その前に少し時間ができましたので、そっと美術館の企画展へ出かけてきました。久しぶりに興味を抱いた企画展ですが、それは写真にもありますように木組みの美しさで惹きつける日本の建築です。以前から建築には、少なからず関心がありましたので、良いタイミングとなりました。
 
日本の建築は、6世紀に中国、朝鮮半島を経て仏教と共に伝来したということです。その後も大陸文化を組み合わせたり、変容させたりして日本建築は、独自の美しさを作り上げました。日本最古の寺院建築、法隆寺をはじめ、岡倉天心さんが日本館のモデルにした平等院鳳凰堂、高度な表現を結実させた千利休さんの待庵、和洋折衷を代表する伊藤忠太さんの祇園閣、日本建築を世界に知らしめた丹下健三さんの自宅など、日本建築の豊かさ、創造性を改めて知ることができました。
 
また、今回をご縁に、こんなことを思いました。それは仏教も建築と共に、日本においてひとつの極まった形を生み出したということです。今では、世界的に注目を浴び、高い評価を得ている日本建築ですが、その陰で日本の大乗仏教も世界に誇るべき至極の教えとなって、日本人を育んできました。鎌倉期に、仏教によって花開いた日本人の精神は今もなお、私たちの心の中にあるのです。お寺はその仏教の最前線です。それは苦悩する人間の最前線でもあります。だからこそ開かれたお寺として、常に在るよう照恩寺は歩み続けたいと思ったことです。

その初めに 、まずはお盆参りを粛々と勤めて参ります。

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