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照恩寺住職によるブログてらすブログ

2019/11/10

Column

2019年、報恩講を終えて。

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毎年、この季節は、どの真宗寺院でも報恩講が勤められます。報恩講とは阿弥陀さま、開祖親鸞聖人の御恩に感謝申し上げるつどいとして営まれますが、浄土真宗は、どの仏事よりも報恩講を大切に勤めてきました。そのことから古来より報恩講教団とも呼ばれてきました。

それは、浄土真宗のみ教えを拠り所に生きようとする者の姿が、必ず報恩という形をとるからでありましょう。

報恩とは、「恩に報(むく)いる」ということです。その恩とは、もちろん阿弥陀さま、親鸞聖人の御恩を指していますが、私はそれだけではないように思います。

私たちは、本当に様々な多くの関わりの中において、言わばお育てをいただいて、今、ここに生きているのです。ですが日ごろ、そのようなことを考えるか、というと微塵も考えることはありません。目先のことばかりに日々、心奪われて、そのようなことをすっかり忘れている、そういう存在が私たちなのです。

だからこそ、つどい確かめ合おう、そういう願いで、古来より報恩講が勤められてきているのだと思います。

「恩に報いる」もそうですが、「報いる」という字は、「報(しら)せる」ということでもあります。改めて「恩を報(しら)せてくださる、つどい」として、年に一度、報恩講へ足を運び、今一度確かめ合う、そのような時間というものが、この現代だからこそ大切にしなくてはなりませんね。

とにかく、報恩講を勤め終えた次の日から、来年の報恩講へ向けて照恩寺はスタートするわけでございます。日々変化していく私たちですが、お聴聞(仏法を聞くこと)は変わらず粛々と、重ねて参りましょう。

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